不眠の訴えには色彩のアドバイスも有効

高齢者にとって、自室は大切な場所です。自分の趣味を楽しんだり、昼や夜間に眠ったりして、一日で一番長く過ごす場所であることも多いためです。高齢者の自宅や施設で介護していると、さまざまな話題があがるものです。その中で、最近どうもよく眠れなくてと相談されたら、色彩による改善を提案してみるのも手です。部屋でリラックスできないのは、部屋の環境のせいという場合もあるからです。

寝室には、適した色彩があります。昼間はゆったりと寛ぐことができて、夜には心地よく快眠できる色を選ぶことがポイントです。そこで、ベッドカバーや枕カバー、毛布などに青系統の色を使います。青には、脳内で神経伝達物質のセロトニンを分泌を促し、興奮を静めて精神を安定させる作用があります。そのため、深い眠りに導いてくれる効果が期待できるのです。濃いめの青を選んだ方が効果が高いですが、青を取り入れすぎると寒々しさを感じることもあります。ベージュやピンクなど温かみのある色も使い、青は空間全体の2割ほどに抑えるといいでしょう。

夜間に安らぎをもたらすには、部屋の小物なども重要です。部屋には、彩りを与えてくれるアイテムを配置します。特に観葉植物はストレスを軽減させるマイナスイオンを出してくれるので、緑の自然な色合いと併せて癒やし効果抜群です。また、インテリアグッズやランプシェードも、色彩豊かで心に潤いを与えてくれます。ただ、彩度が強いものをたくさん置くとかえって緊張感が高まることもありますので、高齢者自身のお気に入りのものを少しだけ置くことのがベターです。