高齢者の介護で役立つ色彩の配色例

色彩の配色には、高齢者が違いに気づきやすいパターンと気づきにくいパターンがあります。違いに気づきやすい配色パターンは、黒に黄か白、白に青か赤、黄色に青か紫です。高齢者は加齢で目の水晶体が白濁化することによって、青や紫などの寒色系の色は認識しにくくなります。そのため、これらの色を使いたい場合は注意が必要です。施設内の危険個所や目印など、高齢者に色をしっかり認識してもらわなくてはいけない場合は、黒などの強めの色を使ったり、紫と黄色のように正反対の配色を取り入れるのも有効でしょう。

違いに気づきにくい配色パターンは、青に茶か緑、茶に黒か紫、白にピンクか黄色です。高齢者は茶色と黒の区別がつきにくくなります。また、周囲が暗くなるといっそう色が見分けられないようになり、その中でも黄色や青の認知度の低下は激しいです。青や水色のような同系色や、黄色とオレンジのように近い色も介護施設では使用が少ないようです。

介護をするには、これらの色彩パターンを頭に入れておくとメリットがあります。違いに気づきにくいパターンも覚えておくと、例えば外の散歩中に土と同化した青いバケツに躓くようなことも防げます。また、黄色い錠剤の薬を白いカップの中に落としてしまった場合に、気づかず一錠余分に飲むのを防ぐことも可能です。介護士の制服などは高齢者が認識しやすいことも大事ですので、分かりやすい色が使用されているケースが多いです。違いに気づきやすい配色と気づきにくい配色をうまく応用して、高齢者の介護に役立てていくことが重要です。